BlackRock、ブロックチェーンを活用した初の地方債を購入
BlackRock、ブロックチェーンを活用した初の地方債を購入
金融大手BlackRockが運営するETF(上場投資信託)、**iShares Short Maturity Municipal Bond ETF(MEAR)**が、ブロックチェーン技術を活用して発行された地方債を購入し、歴史を刻んだ。
Quincy市の地方債とJPMorganのブロックチェーン技術
2024年4月、マサチューセッツ州クインシー市が発行した地方債は、JPMorgan Chaseのプライベートブロックチェーンプラットフォーム「Digital Debt Service」を使用して発行から決済までが完結した。この画期的な取引には6.5百万ドル(約9.5億円)の地方債が含まれており、これをBlackRockが購入した。
このプラットフォームは従来の金融システムを迂回し、仲介業者を排除することで迅速かつ効率的な取引を可能にした。地方債の発行から決済までがすべてブロックチェーン上で行われるのは、地方金融において前例のない試みである。
BlackRockのETF、MEARの特徴
MEARは、BlackRockのアクティブ運用型ETFで、2015年から運用されている。現在750百万ドル(約1,095億円)の顧客資産を保有しており、今回の取引を実現するために米国証券取引委員会(SEC)への申請が行われた。
SECへの申請には、流動性の制限やブロックチェーンアプリケーションのバグ・エラーなどのリスクも記載されている。ブロックチェーンが採用されることで、従来の地方債市場の手続き的な遅延や煩雑な事務処理が解消される可能性がある。
BlackRockのETFが示す強さ
BlackRockの暗号資産関連ETF、**iShares Bitcoin Trust(IBIT)**は2024年にローンチされ、記録的な成長を遂げている。過去24時間だけでも7.4億ドル(約1,080億円)の資金流入があり、現在の運用資産は510億ドル(約7兆4,250億円)を超えている。
また、IBITは同社の金ETFを上回る成長速度を見せており、対照的に競合のGrayscale Bitcoin Trustは今年210億ドル(約3兆570億円)の資金流出に見舞われている。
さらに、ビットコインの価格が108,000ドルを超えて取引されており、近い将来110,000ドルに達すると予測されている。米連邦準備制度の緩和的な政策と機関投資家の需要増加が、この動きを支えている。
まとめ
BlackRockの今回の地方債購入は、ブロックチェーン技術が地方金融の新たな道を切り開く可能性を示した。この動きは、効率性と透明性を向上させるだけでなく、金融市場における伝統的なプロセスを大きく変えるものとなるだろう。
一方で、暗号資産市場ではBitcoin TrustをはじめとするETFが驚異的な成長を続けており、BlackRockは市場での影響力をますます高めている。
用語説明
- ETF(上場投資信託):証券取引所に上場しており、株式のように取引できる投資信託。
- 地方債:地方自治体が資金調達のために発行する債券。一般的に安全な投資とされる。
- ブロックチェーン:取引データを複数のコンピュータ上で分散管理し、改ざんを防ぐ技術。
- 流動性:資産を迅速に現金化できる度合い。
- SEC(米国証券取引委員会):アメリカで証券取引を規制する政府機関。
注意書き:仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。当サイトでは一切の責任を負わないため、自己責任で行うこと。
参考元:Cryptopolitan