2025年の仮想通貨業界:伝統的金融(TradFi)が業界を再構築するか?
2025年の仮想通貨業界:伝統的金融(TradFi)が業界を再構築するか?
2024年、仮想通貨業界はついに長年の目標を達成した。主流の認知を得て、金融の中心で発言力を持つ場を確保したのだ。しかし、2025年はこの新たな地位がもたらす副作用の年になる可能性が高い。
毎年恒例の「Crypto Crystal Ball」では、来年の12か月を形作ると予想される重要なストーリーを予測し、それが業界や投資家に与える影響を分析する。2025年について、以下のような視点が浮かび上がる。
伝統的金融と仮想通貨の交錯
2024年には、スポット型ビットコインETFやイーサリアムETFがウォール街に登場した。だが、米国の金融界の巨人たちが持つ真の力はまだ発揮されていないと、元CFTC(商品先物取引委員会)やFTXでの経験を持つ弁護士ライアン・ミラー(@rynemiller)は語る。
「デジタル資産経済は、まだウォール街と真に競争していない」とミラーは述べている。
特に、マーケティング、ロビー活動、買収能力のフル活用はまだ始まっていないという。
規制や市場動向の影響により、2025年にはこれらの力が仮想通貨業界に向けられ、大きな変化が訪れる可能性がある。
小規模仮想通貨企業の買収ラッシュ
ミラーは、2025年には伝統的金融機関が小規模な仮想通貨企業を急速に買収すると予測している。
「これまで様子を見ていたプレイヤーたちが一気に追い上げを図るだろう」と彼は述べ、健全で責任ある経営を行う企業が狙われると指摘した。
その一方で、収益性が高いが内部構造が不十分な企業は、魅力を失う可能性がある。これにより、より大規模な金融サービス企業やエンタープライズグループが業界を再編成するだろう。
仮想通貨の二極化
近年、仮想通貨業界はプライバシーと分散化を重視するプロジェクトと、大手機関やブランドとの統合を目指す企業に分裂する傾向がある。
2025年には、伝統的金融の完全参入により、この分裂が明確になる可能性があるとミラーは述べる。
「2つのタイプの仮想通貨コミュニティが出現するかもしれない。1つは純粋主義的で、もう1つはウォール街が提供するパッケージ化された製品だ」と彼は予測している。
まとめ
2025年は、伝統的金融が仮想通貨業界に大きな影響を与える年となるだろう。特に買収や統合の加速、新たな基準の設定、そして業界の分裂が予想される。これは初心者からプロまで、すべての投資家にとって重要な変化となる。
用語説明
- TradFi:伝統的金融(Traditional Finance)の略で、銀行や証券会社など従来の金融機関を指す。
- ETF:上場投資信託(Exchange-Traded Fund)の略。特定の資産に連動する投資商品。
- 分散化:中央集権的な管理者がいないシステムやネットワークを指す。