仮想通貨に転向した企業に“即売り”の洗礼──SharpLinkとUpexi、株価60%急落

マーケット

Ethereum(イーサリアム)やSolana(ソラナ)といった暗号資産を準備金として保有する企業が増加する中、
その動きを支援してきた投資家が早期に利益確定売りを行う現象が相次いで発生している。

SharpLinkとUpexi──急騰から急落へ

最近の顕著な例がSharpLink Gaming(シャープリンク・ゲーミング)とUpexi(ユーペクシー)である。
両社ともに、「仮想通貨準備金を導入する」という発表直後に株価が一時急騰したものの、

  • 米SEC(証券取引委員会)による登録申請承認の直後
  • わずか数分で60%以上の急落を記録

この下落により、発表時の上昇分をすべて失う結果となった(出典:Yahoo Finance)。

原因は「PIPE(パイプ)」スキームによる売り圧

両社は共に、「PIPE(Private Investment in Public Equity)=私募による資金調達」を活用していた。

  • PIPEでは、企業が機関投資家や認定投資家に非公開で株式を割り当てて資金調達する
  • ただし、これらの株式は即時に市場で売却できない
  • 登録申請がSECにより“有効”と判断されたタイミングで売却可能になる

このため、多くのPIPE投資家は、**承認直後に一斉に売却(利確)**しており、株価暴落を引き起こしている。

戦略転換は逆効果となる可能性も

企業にとっては、

  • 「仮想通貨保有」という話題性による株価上昇
  • PIPEによる迅速な資金調達

という短期的な利点がある一方で、

  • 投資家の即売りリスク
  • 長期的な株価維持の困難さ

という負の側面も浮き彫りになってきた。

まとめ

仮想通貨保有への戦略転換は、企業価値向上につながる一方で、PIPE投資家の早期売却により株価を押し下げる要因にもなっている。
特にSharpLinkやUpexiの事例は、「話題先行の仮想通貨導入」には慎重な検討が必要であることを示している。

用語説明

  • PIPE(パイプ):非公開で株式を割り当てることで迅速に資金調達を行うスキーム。市場価格の影響を受けにくい反面、後の売却圧力が大きい。
  • 登録申請の承認(Effective):SECが企業の登録申請を承認することで、投資家が売却可能になるタイミング。

注意書き

仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。当サイトでは一切の責任を負わないため、自己責任において行動してほしい。

参考元

Decrypt

13 / 100 SEO スコア

マーケット

Posted by AKIRA YAMAMOTO