シンガポールのDBS銀行、イーサリアム上でトークン化されたストラクチャードノートを発表

出典: https://cryptonews.net/news/finance/31478265/
参考元: decrypt.co
DBS銀行、イーサリアムを用いて構造ノートをトークン化
シンガポールの銀行、DBS銀行(@DBS)は、イーサリアム(Ethereum)を活用した構造ノートのトークン化を発表した。この発表は木曜日に行われた。
DBSは、デジタルプラットフォームのADDX、DigiFT、HydraXと提携し、この商品を配信すると述べた。構造ノートは、債務証券とデリバティブ(金融派生商品)契約を組み合わせ、投資家に株式や商品などさまざまな資産へのエクスポージャー(投資比率)を提供する。これらは基礎資産に連動し、投資家に定期的なリターンを支払う。
DBSの最新商品では、基礎資産として暗号通貨が用いられる。「ノート構造は、暗号通貨価格が上昇した際に現金支払いを提供することで、投資家が暗号通貨を管理することなくこの資産クラスへのエクスポージャーを構築できるようにしている」と銀行は述べた。「また、暗号通貨価格が下落した場合の潜在的な損失を軽減するように構造されている。」
DBSは、こうした資産をトークン化することで「より流動性が高く、取引しやすくなる」と述べている。DBSの外国為替およびデジタル資産のグローバル金融市場責任者である李珍(Li Zhen)は、「資産のトークン化は、金融市場インフラの次のフロンティアである」と語った。「我々の初のトークン化商品である暗号関連ノートは、デジタル資産に対する機関投資家の高まる需要にも対応している」と続けた。
DBSは、コメントのリクエストに対してすぐには回答しなかった。この銀行は、このような商品を提供する最初の企業ではない。ウォール街の巨大企業であるブラックロック(BlackRock)は、昨年初のトークン化ファンドを発表した。彼らのUSDインスティテューショナルデジタル流動性ファンドはイーサリアム上で運用されている。また、ブラックロックのCEOであり、一時は暗号資産に懐疑的であったラリー・フィンク(Larry Fink)は、資産のトークン化について何度も言及している。
他の大手金融サービス企業もトークン化の取り組みを模索している。その中にはバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)やシティ(Citi)が含まれる。
今年5月、世界経済フォーラムは、トークン化が「金融市場における次世代の価値交換を解放する可能性を秘めている」と報告している。「障害は残るものの、勢いは増しており、金融機関、政策決定者、技術提供者は、規制、相互運用性、消費者保護を調整して、この進化を安全に進める必要がある」と「金融市場における資産トークン化:次世代の価値交換」の著者たちは記述した。
まとめ
DBS銀行がイーサリアムを使った構造ノートをトークン化することで、暗号通貨への投資機会が広がる。これにより、投資家はリスクを抑えつつ資産クラスにアクセスできる。金融業界全体がトークン化を進めている中、今後の展開に注目が集まる。
用語説明
- 構造ノート:債務証券とデリバティブを組み合わせた投資商品。
- エクスポージャー:特定の資産や市場への投資の割合。
- トークン化:資産をデジタルトークンとして表現するプロセス。
- 流動性:資産が簡単に売買できる能力。
想定シナリオ(かんたん解説)
ベースシナリオ
トークン化が進展し、暗号通貨市場の需要が高まる。これに伴い、暗号資産の価格は安定期に入る。投資家は価格の安定性を重視し、関連するインジケーターに注目する。
強気シナリオ
トークン化によって新たな投資家が市場に参入する。暗号通貨価格が急上昇し、投資家の関心も高まることが予想される。特に、流動性の向上が重要な指標として機能する。
弱気シナリオ
トークン化の進行が遅れ、規制の不確実性が続く。これにより暗号通貨価格が一時的に下落する可能性がある。特に、取引所の流動性が低下するかどうかが注目される指標となる。
今後の展開に対して市場参加者は慎重にアプローチする必要がある。