Zypher Network、AI×ZK(ゼロ知識)インフラ開発で700万ドル調達──AIの透明性とプライバシー両立へ
AI(人工知能)とブロックチェーンの融合領域で注目されるZypher Networkが、**700万ドル(約11億円)**の資金調達ラウンドを完了した。
この資金は、ゼロ知識証明(ZK)技術を活用したAIインフラの開発に充てられる。
出資者にはUOB VentureやSignum Capitalなどが参画
今回のラウンドは、以下の主要投資家がリード:
- UOB Venture
- Signum Capital
- HashKey Capital
- Hong Leong Group
- Cogitent Ventures
- Hydrogenesis Labs
- Catcher VC
- DWF Venture など
Web3およびAI特化型のベンチャーキャピタルが中心で、将来の分散型AIエコシステムへの期待が表れている。
核心技術は「Proof of Prompt」──ZKでAIプロンプトを検証
Zypherの主力製品は、「Proof of Prompt(プロンプトの証明)」と呼ばれるプロトコルだ。
- zkTLSに類似したゼロ知識プロトコル
- AIがどんなプロンプト(命令)に基づいて行動したかを検証可能
- ただし、入力や出力の中身は一切公開しないという特長を持つ
- REST API経由で提供され、外部システムとも連携可能
これにより、法律、金融、カスタマーサポートなど、プライバシーと透明性の両立が求められる分野でのAI利用が促進される。
AIロールアップとZKスタックの構築へ
資金は以下の領域に活用される:
- ZKプロトコルスタックの改良
- AIエージェントのロールアップ基盤の拡張
- 自律型AIの“行動検証インフラ”の構築
Zypherは、中央集権的なAIとは異なる「分散型AIエージェントの未来」を支える構成要素として注目されている。
まとめ
- Zypher NetworkがZK技術によるAIインフラ開発のため、700万ドルを調達
- 「Proof of Prompt」プロトコルで、AIの行動を公開せずに検証可能に
- 今後は法務・金融・ロボティクスなどへの活用が期待される
用語解説
- ゼロ知識証明(ZK, Zero-Knowledge Proof):相手に「知っていること」を証明できるが、内容そのものは明かさない暗号技術。
- ロールアップ(Rollup):データ処理をオフチェーンで行い、ブロックチェーンにまとめて記録する拡張技術。
- REST API:Webサービスと連携するための標準的な通信手段。
注意書き
本記事は技術トレンドの紹介を目的としたものであり、投資助言を行うものではない。利用や導入に際しては、自社ニーズとセキュリティ要件を十分に検討すべきである。
出典リンク
- 記事原文
- Zypher Network公式(※2025年7月時点で未公開の場合あり)
- Signum Capital