AI企業Genius Group、ビットコインを主要な財務資産に採用

Genius Group Limited(ジーニアス・グループ)は、同社の財務資産としてビットコイン(Bitcoin, BTC)を最優先で採用する新しい「ビットコイン第一」戦略を発表した。この決定は、同社が最近実施した取締役会の再編に続くもので、ブロックチェーン(Blockchain)やWeb3技術の専門家を含む新しい体制が導入された。

「ビットコイン第一」戦略

2024年11月12日のプレスリリースによると、AI(人工知能)を活用した教育および事業加速の企業であるジーニアス・グループは、現在および将来の財務資産の少なくとも90%をビットコインに充てる予定であるという。具体的には、同社は1億5000万ドル(約225億円)のATM(現金自動預け払い機)を利用し、ビットコインへの初回の長期投資として1億2000万ドル(約180億円)を投じる計画であり、これは現在の市場価格で約1,380BTCに相当する。

企業の経営再編と訴訟

この発表は、ジーニアス・グループが直面した困難な時期を背景に行われた。株価は、公開された市場操作疑惑との戦いにより、0.60ドル(約90円)以下にまで急落した。しかし、CEOのRoger Hamilton(ロジャー・ハミルトン)は、現在進行中の訴訟が市場操作の加害者に対して2億5000万ドル(約375億円)を超える損害賠償につながる可能性があると述べた。また、同氏は、透明で分散化されたブロックチェーン技術を採用することで、同社の市場価値を基礎資産(2023年に報告された資産総額4300万ドル(約64億円)、収益2300万ドル(約34億円))に一致させる手助けになると強調した。

株価の急上昇とその後の動き

ジーニアス・グループの株は、月曜日のプレマーケット取引で最大50%の上昇を見せたが、その後、ほとんどの上昇分を引き戻した。しかし、Google Financeのデータによれば、過去5日間で61%以上の上昇を記録し、株価は1株あたり0.95ドル(約142円)となっている。

暗号通貨関連の取り組みを拡大

ジーニアス・グループは、ビットコインをグローバルな支払いオプションとして同社のEdTech(教育技術)プラットフォームに導入する予定である。また、「Web3 Wealth Renaissance(ウェブ3ウェルス・ルネサンス)」という教育シリーズも立ち上げ、学生たちにビットコイン、暗号通貨(Cryptocurrency)、ブロックチェーン技術について深い理解を促進するAI駆動の学習ツールを提供する。

ハミルトンCEOは、AIを活用した教育企業として、ジーニアス・グループが学生や投資家を伝統的な金融と分散型経済(Decentralized Economy)の橋渡しとなる未来へと導く独自の立場にあることを強調した。

ビットコインを財務資産として採用した企業の動向

ジーニアス・グループがビットコインを財務資産として採用する動きは、MicroStrategy(マイクロストラテジー)が2020年にインフレヘッジ(インフレ対策)として採用した道を追う、増え続ける企業群の一員に加わったことを意味する。Bitcoin Treasuriesのデータによると、米国のマイクロストラテジー社は現在、279,420BTC(約4兆円相当)を保有している。

最近では、医療機器メーカーのSemler Scientific(セムラー・サイエンティフィック)や、東京に拠点を置く投資運用会社Metaplanet(メタプラネット)などもビットコインの保有を決定し、それぞれ1000BTC以上を保持している。

まとめ

ジーニアス・グループは、ビットコイン(BTC)を主要な財務資産として採用し、その新しい「ビットコイン第一」戦略を発表した。この決定は、同社がAI駆動の教育事業においても暗号通貨関連の取り組みを強化し、企業の価値向上を目指していることを示している。また、ビットコインを財務資産として採用する企業の増加は、暗号通貨が今後の経済において重要な役割を果たす可能性を示唆しており、同社の戦略が注目される。


まとめ
ジーニアス・グループのビットコイン第一戦略は、同社の財務運営に新たな局面をもたらすと同時に、暗号通貨市場全体の成長を促進する可能性がある。今後、暗号通貨を主要な財務資産として採用する企業が増える中、ビットコインはインフレ対策としての有効性を示すとともに、AI技術を駆使した教育事業との相乗効果でさらなる成長が期待される。


難解な用語の説明

  • ビットコイン(Bitcoin, BTC): 最も広く取引されている暗号通貨。分散型ネットワークで運営され、中央の管理者なしで取引が行われる。
  • Web3(ウェブスリー): 次世代インターネットの構想で、分散型技術(ブロックチェーン)を活用し、ユーザーがデータの管理や取引を行うことができる。
  • 暗号通貨(Cryptocurrency): インターネット上で使用されるデジタル通貨。暗号技術を使用して取引を保護し、中央集権的な機関なしで運営される。
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