ステーブルコイン市場、14日間で約1.46兆円の成長—歴史的なピークに接近
ステーブルコイン(Stablecoin)は、暗号資産(Cryptocurrency)の世界で重要な役割を果たし、その価値と影響力を強めている。過去2週間で、この法定通貨(Fiat Currency)に連動する暗号資産市場は5.63%成長し、97.36億ドル(約1.46兆円)が新たに加わった。2024年11月16日時点で、ステーブルコインの市場価値は1826.28億ドル(約27.37兆円)に達している。だが、2022年4月24日に記録された過去最高値1878.74億ドル(約28.16兆円)まで、あと52.46億ドル(約7840億円)の差がある。
ステーブルコイン市場の概要と主要プレイヤー
現在、ステーブルコインは仮想通貨市場全体の総価値3.06兆ドル(約45.91兆円)のうち、5.96%を占めている。
この市場の中で最大のシェアを持つのは、テザー(Tether)のUSDTであり、時価総額1,277.49億ドル(約19.18兆円)を誇る。このUSDTは、11月16日時点でステーブルコイン市場の69.95%を支配している。
次に大きなシェアを持つのは、サークル(Circle)が発行する**USDコイン(USDC)**で、時価総額369.06億ドル(約5.54兆円)、全体の20.21%を占めている。
他のステーブルコインと市場動向
上位5つのステーブルコインのうち、残り3つはそれぞれ時価総額が50億ドル(約7500億円)未満である。以下がその詳細だ:
- DAI(ダイ):スカイ(Sky)による発行。時価総額46.49億ドル(約6980億円)。
- USDE(イーサナ):時価総額31.67億ドル(約4750億円)。
- FDUSD(ファーストデジタル):時価総額22.87億ドル(約3430億円)。
取引量では、上記の中でも特にFDUSDが注目されている。バイナンス(Binance)での強い存在感により、時価総額は小さいものの多くの取引量を確保している。
これらの動向は、より広い暗号資産経済における法定通貨ペッグ資産への依存度が増加していることを示している。
歴史的な視点とリスク
ステーブルコイン市場の過去のピークは、TerraのUSTが史上最高値に達した時期と重なる。その後、USTは翌月に崩壊し、仮想通貨市場全体に大きな影響を及ぼした。このパラレルな状況は、急速な成長が伴う脆弱性を浮き彫りにしている。今回の市場拡大が新たなピークに向かう中で、同様の失敗を防ぐための教訓が活かされるべきである。
まとめ
- ステーブルコイン市場は急成長を続け、過去最高値に接近中。
- テザーのUSDTが市場を支配し、USDCがそれに続く。
- 小規模なステーブルコインも、特定のプラットフォームで存在感を発揮している。
- 過去の市場崩壊の教訓を活かし、安定性を確保することが重要。
難解な用語の説明
- ステーブルコイン(Stablecoin):法定通貨の価値と連動し、価格変動が少ない暗号資産。
- 時価総額(Market Cap):発行済みコインの総価値。
- 法定通貨ペッグ(Fiat-Pegged):特定の法定通貨と価値を連動させる仕組み。