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Krakenのレイヤー2ネットワーク「Ink」がメインネットで稼働開始

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Krakenのレイヤー2ネットワーク「Ink」がメインネットで稼働開始

暗号資産取引所【Kraken](公式サイト)、世界第7位の規模を持つ取引所が、新たなレイヤー2ロールアップネットワーク「Ink」をEthereumブロックチェーン上で稼働開始した。

Inkは、Optimismの技術を活用したOP Stackを基盤として構築されている。このフレームワークは、開発者がカスタマイズ可能なロールアップを構築できる仕組みだ。当初、Inkの稼働開始は2025年初頭と予定されていたが、スケジュールを大幅に前倒ししてメインネットでの稼働が実現した。

メインネット稼働の詳細

公式発表では、Inkチームがメインネット稼働について次のように述べている。

「予定より数カ月早く、Optimism Superchainの一部として正式にローンチした。DeFi(分散型金融)の利用者と開発者のギャップを埋める旅の始まりに過ぎない。」

また、Ink公式アカウントでは以下のツイートを投稿している。

「未来を一緒に描こう ✍️」

KrakenとOptimismの提携

Krakenは、Ink構築の対価として2500万枚のOPトークン(約5800万ドル相当)を受け取ることで合意している。このトークンの提供は、OptimismがOP Stack上でのプロジェクト構築を促進する戦略の一環であり、「Superchain」エコシステム全体への貢献を狙ったものだ。

競合のCoinbaseも2023年8月に、同じOP Stackを基盤としたレイヤー2ネットワーク「Base」を発表している。Baseは現在、L2beatによれば、2番目に大きいロールアップネットワークとなっている。Coinbaseは、Base構築に対する報酬として最大1億1800万枚のOPトークンを受け取り、収益の一部をOptimism Collectiveに還元する仕組みを採用している。

さらに、UniswapやWorld Network、Sony Blockchain Labsといった他の参加者もOP Stackを用いたレイヤー2構築を進めているが、受け取るOPトークンの数は明らかにしていない。

Inkの将来展望

Inkの創設者であるAndrew Kollerは、プレスリリースで次のように語った。

「Inkはまだ始まりに過ぎない。ここから本格的な成長が始まる。オンチェーンの体験を拡大し、開発者とユーザーに新しいアプリケーションや機会を提供する。深い流動性を基盤に、プライバシー、セキュリティ、UX(ユーザー体験)の強化を実現していく。」

まとめ

Krakenのレイヤー2ネットワーク「Ink」の稼働開始は、Optimism Superchainエコシステムにおける重要なマイルストーンである。Inkは、Ethereum上での取引コスト削減やDeFi・dApps(分散型アプリケーション)の発展に貢献する可能性を秘めている。

Optimismとの協業は、他の競合取引所との技術競争を激化させ、エコシステム全体にさらなる進化をもたらすだろう。

用語説明

  • レイヤー2(Layer 2): メインとなるブロックチェーン(レイヤー1)の上に構築される補助的なネットワーク。取引の速度を向上させ、コストを削減する。
  • ロールアップ(Rollup): 多数の取引を一つにまとめ、メインチェーンに送信する技術。
  • OP Stack: Optimismが開発したレイヤー2のカスタマイズフレームワーク。
  • Optimism Superchain: Optimismを中心とした相互運用可能なブロックチェーンのエコシステム。

注意書き:仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。当サイトでは一切の責任を負わないため、自己責任において行うこと。

参考元:CoinDesk

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2025-01-05ブロックチェーン

Posted by AKIRA YAMAMOTO