ビットコイン採掘者の収益が2カ月ぶりの低水準──それでも「強制売却」は見られず

ビットコイン(BTC)の採掘者(マイナー)たちの収益が2025年6月下旬、過去2カ月で最も低い水準まで落ち込んだ。

ブロックチェーン分析企業CryptoQuantのレポートによれば、6月22日のマイナー全体の1日あたり収益は約3,400万ドル(約49億円)にまで減少。これは、今年4月以来の最低水準であり、過去1年間でもかなり低い部類に入る。

主な要因は、ビットコインの価格下落取引手数料の減少である。価格がローカル安値に張り付くなかで、マイナーの収益性も厳しさを増している。

ハッシュレートの減少とマイナーへの圧力

ネットワーク全体の計算能力を示す「ハッシュレート」は、6月16日以降で約3.5%下落した。これは2024年7月以来、最も大きな落ち込みである。

この動きは、今年4月の**半減期(*注1)**により報酬が半減した後、マージン(利益率)が圧迫されているマイナーにさらなる負荷を与えていることを示している。

強制売却の兆候は見られず──マイナーの財布は静か

しかしながら、現時点で「マイナーの capitulation(降参)」と呼ばれる強制的な売却の波は発生していない。

ウォレットの動きに着目すると、マイナーが保有するビットコインの外部送金量は、今年2月には1日あたり23,000BTCだったものが、現在では6,000BTC前後にまで減少している。また、取引所への大量移動(dump)も確認されていない。

このことから、マイナーたちは今のところ、「持ちこたえる姿勢」を維持していると言える。

まとめ

  • ビットコインのマイナー収益は2025年6月に大きく低下したが、ネットワークの売り圧力は依然として低い。
  • ハッシュレートのわずかな減少はあるものの、大規模なマイナーの撤退や売却には至っていない。
  • 現時点では、市場が過度に弱気に転じる要因とはなっていないが、価格と手数料の動向次第では今後の変化もあり得る。

用語説明

  • *注1 半減期(Halving):ビットコインネットワークにおいて、マイナーが受け取る報酬(BTC)が約4年ごとに半分になる仕組み。供給量をコントロールし、インフレ抑制を狙った設計。
  • マイナー(Miner):ビットコインの取引を承認し、ブロックを生成する作業を行う参加者。成功報酬としてBTCを受け取る。
  • ハッシュレート(Hashrate):ビットコインネットワーク全体の計算能力の総和。高いほど取引の承認が迅速かつ安全に行われる。
  • 強制売却(Capitulation):収益性悪化に耐えきれず、マイナーが保有するBTCを一斉に売却すること。

注意書き

仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。
当サイトでは一切の責任を負わないため、取引は自己責任において行っていただきたい。

参考元

coindesk.com

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