強気派トム・リー、BTC価格停滞の背景に切り込む
仮想通貨市場の著名アナリストであり、Fundstrat Global Advisorsの共同創業者であるトム・リー氏が、ビットコイン(BTC)の最近の価格動向について新たな見解を示した。
氏は、「なぜ機関投資家の需要が急増しているにもかかわらず、ビットコイン価格が上がらないのか?」という疑問に対し、その要因を詳しく説明している。
スポット型ETFの成功と価格反応のギャップ
トム・リー氏はまず、「米国のスポット型ビットコインETF(上場投資信託)は、史上最も成功したETFのひとつ」と評価。
実際に、これらETFへの資金流入は非常に強く、機関投資家の需要も未曾有のレベルに達しているという。
にもかかわらず、ビットコインの価格は思うように上昇しておらず、市場の期待に届いていないのが現状だ。
「現物購入ではない」流入構造が要因
その理由として、トム・リー氏はETFの買い方の構造そのものに問題があると指摘する。
特に、「in-kind transfer(現物交換方式)」という手法でETFが構成されている点が大きいという。
これは、新たに市場からビットコインを買うのではなく、既存のBTCをETFに移す仕組みであり、価格形成に影響を与えにくい構造となっている。
つまり、「ETFに資金が入っているからといって、必ずしも市場価格が上がるとは限らない」というメカニズムがここにある。
まとめ
ETFの登場はビットコイン市場にとって大きな転換点だが、その構造によっては期待したような価格上昇が起こらないこともある。
今後、資金の流入形態が「現物購入」中心に移行すれば、価格への影響がより顕著になる可能性がある。
投資家は、価格だけでなく仕組みそのものにも注目する必要があるだろう。
用語解説
- ETF(上場投資信託):株式のように取引できる投資信託。ビットコインETFはBTC価格に連動。
- スポット型ETF:実際にビットコインを保有するETFで、先物型より市場価格に近い。
- in-kind transfer(現物交換方式):ETFが保有資産を市場で買い付けるのではなく、既存の資産を移管する方式。
注意書き
本記事は投資アドバイスではなく、情報提供を目的としている。投資判断は自己責任で。
参考元
- 記事URL:cryptonews.net
- 出典:en.bitcoinsistemi.com