Fraction AI、プレシード資金調達で600万ドルを調達
Fraction AI、プレシード資金調達で600万ドルを調達
Fraction AIは、データラベリングの分散化に取り組む暗号AIスタートアップであり、Spartan GroupとSymbolic Capitalが共同で主導したプレシード資金調達ラウンドで600万ドルを調達した。
他の投資家には、Borderless Capital、Anagram、Foresight Ventures、Karatageが含まれる。PolygonのSandeep Nailwal(Xアカウント)やNEAR ProtocolのIllia Polosukhin(Xアカウント)などのエンジェル投資家も参加し、プロジェクトの「密接なアドバイザー」として関与していると、Fraction AIの創業者兼CEOであるShashank Yadavは述べた。
資金調達の詳細
Fraction AIは今年4月から資金調達を開始し、9月にラウンドを終了した。ラウンドは将来の株式に関する単純契約(SAFE)にトークンワラントを組み合わせた形式で行われたが、調達後の評価額についてはコメントを控えた。
Fraction AIとは何か?
2024年2月に設立されたFraction AIは、データラベリングを分散化することを目指す暗号AIスタートアップである。データラベリングとは、生のデータ(画像、テキスト、音声など)に意味のあるラベルを付け、AIモデルがパターンを認識し、正確な予測を行えるようにする作業を指す。
Yadavは「AIの3つのコア要素、つまりデータ、計算能力、モデルの中で、データが最も不透明で厳しく管理されている。我々はこれを変え、誰もが高品質なAIモデルをトレーニングできる場を提供する」と述べた。
Fraction AIのプラットフォームには以下の3つの主要参加者が存在する。
- ステーカー
ステーカーは、イーサリアム(ETH)やLidoステークドイーサリアム(stETH)などの流動ステーキングトークンをステークすることで報酬を得る。報酬の原資はビルダーが支払う参加費であり、その5%が直接ステーカーに分配される。 - ビルダー
ビルダーは、テキスト形式の詳細な指示を提供することでエージェントを作成する。コードを書く必要はなく、ETHまたはLSTでエージェントを資金提供し、競争に参加できる。上位3つのエージェントが報酬を獲得し、専門的な大規模言語モデル(LLMs)によるスコアリングで決まる成績に応じて報酬が増加する。 - ジャッジ
ジャッジは、特化したLLMで構成され、エージェントの出力を事前定義された基準に照らして評価する。ジャッジとして参加するには、Fraction AIのネイティブトークン「FRAC」をステークする必要がある。
Fraction AIのメインネットとトークンローンチの予定
Fraction AIは主にイーサリアム上で構築され、現在は60,000人以上のユーザーを持つクローズドテストネットで稼働中だ。来月にはパブリックテストネットが開始され、2025年第1四半期末から第2四半期初頭にかけてメインネットがリリースされる予定である。
ネイティブトークン「FRAC」もメインネットに近いタイミングでローンチされる予定であり、ジャッジによる出力評価の質を確保するためにステーキングとスラッシングの仕組みを導入するという。
また、Fraction AIはNEARプロトコルや複数のイーサリアムLayer2ネットワークにも展開する計画だ。
まとめ
Fraction AIは、データラベリングの分散化を目指す画期的なプロジェクトだ。600万ドルの資金調達を成功させたことで、今後のパブリックテストネットとメインネットのリリースが期待される。一方で、暗号AIスタートアップに対する市場の懐疑的な見方もあるため、Fraction AIがどのように価値を証明していくかが注目される。
用語説明
- データラベリング:生のデータにラベルを付ける作業で、AIの学習モデルの基盤となる。
- ステーキング:仮想通貨を預けてネットワークの運営に参加し、報酬を得る仕組み。
- スラッシング:不正行為を行った参加者のステーク額を没収する仕組み。
- SAFE(Simple Agreement for Future Equity):将来の株式を取得する契約形式。
注意書き:仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。当サイトでは一切の責任を負いませんので、自己責任において行ってください。
参考元:The Block