XRP Ledgerが大型アップデートを実施──エスクロー対応やDEX管理機能など7つの改正案
RippleX(リップルエックス)(Xアカウント)は、XRP Ledger(XRPL)開発者を支援する組織であり、このたび同ネットワークの公式実装「rippled」バージョン2.5.0をリリースした。
このアップデートには、ネットワークの機能拡張およびガバナンス(管理)ツールの充実を目的とした7つの改正案(Amendments)が含まれており、XRP Ledgerのプロトコル改正手続きに従って現在投票が開始されている。
目次
主な改正案(Amendments)の概要
✅ TokenEscrow(トークン・エスクロー)
- IOUトークンやマルチユーストークンのエスクロー(預け入れ取引)を可能にする機能
- 将来的に定期支払い・段階解放型トークンユースケースに活用可能
✅ Batch(バッチ処理)
- 複数のトランザクションを「アトミック(不可分)」に実行できる機能
- 例えば複数の送金を一括実行し、失敗時にはすべて取り消し可能
✅ PermissionedDEX(制限付き分散型取引所)
- 取引所運営者が参加者を制限できる機能
- 規制対応・KYC(本人確認)が求められるシナリオに最適
✅ AMMv1_3
- 自動マーケットメイカー(AMM)向けに、**不変条件チェック(Invariant Checks)**を導入
- 金融的リスクの管理をプロトコルレベルで強化するアップグレード
長年待望されていたセキュリティ修正も
✅ EnforceNFTokenTrustlineV2
- NFTを受信する資格のないアカウントへの誤送信を防止
✅ PayChanCancelAfter
- 期限切れの支払いチャネル(Pay Channel)を再度開設させないようにする
この2つは、XRPLのセキュリティと透明性を向上させるための重要なパッチであり、ユーザー保護の観点でも大きな意味を持つ。
その他の改善点
- トランザクション中継ロジックの最適化
- ネットワークI/O性能の向上
- マルチ署名のシミュレーション精度改善
- XRPL Commons(公式サイト)を新たなブートストラップ・クラスタとして導入
RippleXは、ネットワークの継続的な安定稼働を保証するため、すべてのバリデーターに対して速やかなアップグレードを呼びかけている。
まとめ
XRP Ledgerは、DeFi(分散型金融)ユースケースへの適応と、規制順守を意識した企業開発者ニーズの両立を目指し、より柔軟かつガバナンス強化されたプラットフォームへと進化を遂げようとしている。
今回のアップデートにより、XRPLは企業レベルのユースケースに対応可能な次世代ブロックチェーンとして、さらに存在感を強めていくことだろう。
用語説明
- XRP Ledger(XRPL):Ripple社が開発するブロックチェーンネットワーク。高速・低コストなトランザクションが特徴。
- エスクロー:第三者預かり方式。特定条件が満たされるまで資産の移動を保留にできる。
- AMM(自動マーケットメイカー):取引板を持たず、数式ベースで流動性提供を行う分散型取引所の仕組み。
- トラストライン(Trustline):XRPL上で、特定の通貨・発行者との信用関係を定義する接続設定。
注意書き
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