
VeChain、2025年にリアルワールド行動追跡で大躍進──ESGとブロックチェーンの融合
企業向けブロックチェーンで知られる【VeChain(ヴィーチェーン/VET<ruby>ヴィーイーティー</ruby>)】が、2025年に入り再び脚光を浴びている。注目の背景にあるのは、単なる投機を超えた“リアルワールド(実社会)行動”のブロックチェーン記録というユニークなアプローチだ。
VeChainは現在、ESG(環境・社会・ガバナンス)対応の強化を掲げ、ユーザーや企業の行動データを活用した「行動インデックス(Behavioral Index)」の構築を進めている。
VeChainが目指すのは「実社会の行動を記録するブロックチェーン」
VeChainは、価格の乱高下を追う従来のブロックチェーンとは一線を画す。重視しているのは、「人間の行動」だ。
VeChainのアンバサダーである【Sebastian(セバスチャン)氏(Xアカウント)】は、以下のように語る。
「ブロックチェーンは、もはや注目やバズを集めるための道具ではない。日常の中で意味のある行動を記録する技術であるべきだ」
実際にVeChainは、以下のような行動を記録する仕組みを構築している。
- ゴミのリサイクル行動
- 電気自動車(EV)の運転
- サステナブル(持続可能)な食品の選択
こうした行動は、誰にも改ざんできない形でブロックチェーンに記録される。これが「行動インデックスファンド」の基盤となっており、個人や企業のESG貢献を可視化・数値化する手段として期待されている。
「Proof of Habit」:習慣を価値に変える仕組み
VeChainが開発した【Proof of Habit(プルーフ・オブ・ハビット)】はすでに複数のアプリケーションで採用されている。
- Cleanify(クリーンな街づくり支援)
- EcoMeal(サステナブルな食習慣)
- EVearn(EV運転による報酬)
これらのアプリは、環境に優しい行動を取ることでユーザーに報酬を提供する。善い習慣が、トークンとしての価値に変わるのだ。
VeChainとWanchain、クロスチェーンブリッジを始動
VeChainは、ブロックチェーン間の相互運用性においても大きな進展を遂げた。
【Wanchain(ワンチェーン/公式サイト)】と提携し、新たな「クロスチェーンブリッジ」を構築。これにより、以下のような主要ブロックチェーンとの接続が可能となった:
- 【Bitcoin(ビットコイン/BTC<ruby>ビー・ティー・シー</ruby>)】
- 【Ethereum(イーサリアム/ETH<ruby>イー・ティー・エイチ</ruby>)】
- 【Solana(ソラナ/SOL<ruby>エス・オー・エル</ruby>)】
- 【BNB Chain】
- 【Polkadot(ポルカドット)】
これにより、VeChainのトークン(VET、VTHO、B3TR)だけでなく、【USDC(米ドル連動ステーブルコイン)】【USDT(テザー)】【XRP(リップル)】などのメジャー資産もブリッジ対応が可能となった。
この仕組みは、【DeFi(分散型金融)】エコシステムにとっても大きな一歩である。ユーザーは新たに流動性プールやトレーディングペアを構築でき、今後の金融サービス開発に拍車がかかる。
欧州のデジタル製品パスポート規制にも対応
欧州連合(EU)が推進する【Digital Product Passport(デジタル製品パスポート)】規制では、製品の透明性と追跡可能性が重視されている。
VeChainはこの領域でも優位性を発揮しつつあり、企業が環境コンプライアンスを実現するためのインフラとして注目されている。
まとめ
VeChainは単なる暗号資産ではなく、**「人の行動」×「ブロックチェーン」**という新たなアプローチで社会に価値をもたらしている。ESG対応の重要性が高まる中、リアルワールドの行動をトークン化する仕組みは、今後ますます求められていくだろう。
クロスチェーン技術の導入により、より多くのユーザーや開発者がVeChainエコシステムに参加しやすくなる。このような技術進化は、未来の分散型社会の基盤になる可能性がある。
用語説明
- ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字。企業の持続可能性を評価する基準。
- Proof of Habit:特定の良い習慣を継続することを証明し、その結果をブロックチェーンに記録・報酬化する仕組み。
- クロスチェーンブリッジ:異なるブロックチェーン間でトークンや情報をやり取りするための技術。
- DeFi(ディーファイ):中央管理者のいない金融サービス。ブロックチェーン上で構築される。
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