Vitalik Buterinがd/acc宣言について語る様子
分散化と技術革新が未来を守る鍵

Vitalik Buterinが「d/acc宣言」発表から1年を振り返る

イーサリアムVitalik Buterin

Vitalik Buterinが「d/acc宣言」発表から1年を振り返る

仮想通貨とWeb3の価値観が人類の未来を導く鍵

Ethereum(イーサリアム)の共同創設者であり、主任科学者であるVitalik Buterin(Xアカウント)は、仮想通貨やWeb3の価値観がテクノロジーの発展を人類の利益に繋げる重要な要素であると考えている。

2025年1月5日、Buterinは自身のブログで、1年以上前に発表した「分散化と民主化を基盤とした防御的加速主義(d/acc)」についてのエッセイを公開した。

d/acc宣言の概要とその背景

Buterinの哲学は、「テクノロジーの進歩により人類は過去の多くの危機を回避してきたが、今後の革新が社会を良い方向にも悪い方向にも導く可能性がある」という考えに基づいている。

特にWeb3の基盤となる分散化、抵抗力、オープンエコノミーといった価値観を主流の技術開発に取り入れることで、中央集権化やサイバーセキュリティ、バイオディフェンス(生物防御)に関連するリスクを軽減できると主張している。

「私たちは世界をより安全で良いものにするための具体的な技術を構築する必要がある。それは中央集権的な権限の拡大に頼るのではなく、防御のバランスを重視したものにしなければならない」とButerinは述べた。

d/acc技術の新たな提案

Buterinは「生き延びる」だけでなく「繁栄する」ためのd/acc技術の新しいアイデアを提示した。

例として、ゼロ知識証明はプライバシーの保護を実現すると同時に、科学的分析に利用可能なデータの範囲を拡大する。一方、予測市場は「高協力」環境や「高対立」環境の両方で価値を提供すると述べている。

ただし、初期のd/acc宣言では「良い」技術開発に重点を置き、「悪い」革新を抑制する戦略が欠如していることを認めた。

人工知能(AI)の課題とd/accの規制論

AIの急速な進化、特に人工汎用知能(AGI)の出現が数年以内に現実化する可能性について、多くのアナリストが警鐘を鳴らしている。d/acc批評家は、これに伴うリスクを軽減するためには規制が必要であると指摘している。

これに対しButerinは、規制が必ずしもd/accの価値観と矛盾するものではないと反論。AIユーザーの行動に責任を課す規制は、d/acc技術と調和すると述べている。

Devconでの「d/acc Discovery Day」

Buterinは、2024年11月14日に開催されたDevconカンファレンス内の「d/acc Discovery Day」の成功についても言及。このイベントではバイオテクノロジー、サイバー、神経科学などの専門分野の講演者が集まり、異なる分野間でのコラボレーションを促進した。

「このイベントでは、d/accが多様な分野の人々を結びつけ、互いの研究に興味を持たせる力を証明した」とButerinは語った。

さらに、d/accが「幅広い連携構築」の有効な手段であることを確認し、人類の利益のために技術開発を進める上で重要な役割を果たすと結論づけた。

まとめ

Vitalik Buterinのd/acc宣言は、分散化と防御的テクノロジーを通じて、人類が直面するリスクを軽減し、未来をより良い方向へ導く可能性を示している。ゼロ知識証明や予測市場のような革新技術から、AI規制の調和まで幅広い議論が展開されている。

用語説明

  • ゼロ知識証明:データを明かさずにそのデータが正しいことを証明する技術。
  • 予測市場:未来の出来事の結果を予測し、取引する市場。
  • 人工汎用知能(AGI):人間のような幅広い知識や能力を持つ人工知能。

注意書き:仮想通貨の取引はリスクが伴い、当記事は投資のアドバイスを目的としたものではない。当サイトでは一切の責任を負わないので、自己責任において行ってほしい。

参考元:Cryptopolitan

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Posted by AKIRA YAMAMOTO