韓国最大手のKB国民銀行、ステーブルコイン関連の商標を大量出願──金融業界の本格参入が加速
韓国最大の銀行**KB Kookmin(KB国民銀行)**は、地元通貨に連動するステーブルコイン(stablecoin)の法的基盤構築に向けた動きと並行して、17件ものステーブルコイン関連商標出願を行った。
この動きは、同銀行が主導する**ステーブルコイン・コンソーシアム(Stablecoin Consortium)**設立計画の一環とみられる。
商標出願された名称一覧と内容
出願された商標には、以下のようなステーブルコインを示すシンボル名が含まれている:
- KBKRW
- KRWKB
- KBST
- KRWST
これらは、いずれも韓国ウォン(KRW)に連動したデジタル通貨を想定している。
出願は**韓国知的財産権情報サービス(KIPRIS)**によって確認されており、月曜日から火曜日にかけて提出されたとのこと。
分類は主に以下のソフトウェア分野:
- 仮想通貨・デジタル通貨用ソフトウェア
- ブロックチェーンを用いた暗号資産管理ソフトウェア
コンソーシアム形成の動き
Aju Economic Newsの報道によれば、KB国民銀行の関係者はこれらの出願がステーブルコインに特化した銀行連合の創設を目的としていると語っている。
同様の動きは、韓国の**大手フィンテック企業KakaoPay(カカオペイ)**も進めており、先週、同様のシンボル名で複数の商標出願を行っていた。
さらに、韓国の主要8銀行──
- KB国民銀行
- Shinhan(新韓銀行)
- Woori(ウリィ銀行)
- Nonghyup(農協銀行)
- IBK(中小企業銀行)
- Suhyup(水協銀行)
- Citi Korea(シティバンク韓国)
- Standard Chartered Korea(スタンダードチャータード韓国)
──が共同で、韓国ウォン連動型ステーブルコインの発行事業体(JV)設立を準備中であるとEconomic Reviewが報じている。
この中には、韓国の五大銀行のうち四行が含まれている。
事業体は2025年末〜2026年初に設立予定
この新組織は、Open Blockchain and Decentralized Identifier Association(OBDIA)やKorea Financial Telecommunications and Clearing Institute(KFTC、韓国金融通信公社)などと連携したコンソーシアム構造で設立される予定であり、2025年末〜2026年初頭の稼働が見込まれている。
まとめ
韓国は、アジアの中でもステーブルコイン分野において最も先進的かつ迅速な動きを見せている国の一つとなりつつある。
特にKB国民銀行をはじめとする主要銀行の動きは、「国家規模でのデジタル通貨制度」への布石となっており、仮想通貨が単なる投機対象から制度インフラの一部へと移行しつつあることを象徴している。
用語説明
- ステーブルコイン(Stablecoin):法定通貨などの資産と1対1で連動する価格安定型の仮想通貨。
- コンソーシアム:複数の企業・組織が協力し合って形成する共同体や連合。
- KIPRIS:韓国知的財産権情報サービス。特許・商標などの出願状況を確認できる国家機関。
- JV(Joint Venture):合弁会社。複数企業が共同出資して設立する新たな法人。
注意書き
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