Zama、完全匿名型ブロックチェーン暗号化でシリーズBにて57億円調達──評価額10億ドル突破
**Zama(ザマ)は、オープンソースの暗号技術を用いて公共ブロックチェーン上に完全なプライバシーを提供するスタートアップである。
2020年に設立された同社は、今回のシリーズB資金調達で5,700万ドル(約8.28億円 ※1ドル=145.19円、2025年6月26日時点)**を調達し、評価額10億ドルを突破してユニコーン企業となった。
出資主はPantera CapitalとBlockchange Ventures
今回のラウンドは**Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)とBlockchange Ventures(ブロックチェンジ・ベンチャーズ)が主導した。
この投資により、Zamaは高度暗号技術(Homomorphic Encryption〈ホモモルフィック・エンクリプション〉)**を扱う企業として初のユニコーンに。
「完全暗号化」されたスマートコントラクトとDAppsを実現
資金調達と並行して、Zamaはテストネットおよび新プロトコル「Confidential(コンフィデンシャル)」を発表。
これにより、開発者は以下のことが可能となる:
- エンドツーエンドで暗号化されたスマートコントラクトの作成
- 完全匿名の分散型アプリケーション(DApps)の構築
CEOが語る「決済分野への集中」
CEOの**Rand Hindi(ランド・ヒンディ)**氏は、**Decrypt(ディクリプト)**の取材にこう語っている:
「我々は特に決済アプリケーションに注力している。
ステーブルコインの発行者や利用者との対話から、オンチェーンでの匿名決済へのニーズが非常に高いことがわかっている。」
ホモモルフィック暗号とは何か?
Zamaの核となる技術は、**Homomorphic Encryption(ホモモルフィック暗号)**である。
これは「データを復号せずに演算処理が可能」という特性を持ち、以下のような利点がある:
- ユーザーのプライバシーを保ちつつデータ活用が可能
- 金融や医療など、機密性の高い分野での応用が期待されている
まとめ
Zamaは、ブロックチェーン業界における「プライバシー革命」の最前線に立つ企業として、今後さらなる展開が期待される。
ホモモルフィック暗号を基盤に、ユーザーの匿名性を保ちつつ透明性の高いシステムの実現を目指している。
用語説明
- ユニコーン企業:評価額が10億ドル(約1,450億円)を超える未上場企業。
- テストネット:開発者向けの実験用ブロックチェーン環境。実際の資産は動かない。
- ホモモルフィック暗号(Homomorphic Encryption):暗号化されたままのデータに対して演算処理ができる画期的な暗号方式。
注意書き
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