第8回 リップルETFは承認されるのか?最新の動きと市場への影響

ビットコインETFやイーサリアムETFが米国で承認された流れを受け、次に注目されているのがリップル(XRP)のETFである。
もしXRP ETFが実現すれば、機関投資家の参入や流動性拡大が期待され、価格にも大きな影響を与える可能性がある。
本稿では、XRP ETFに関する最新の動きと、承認された場合の市場インパクトを整理する。
ETFとは何か
- ETF(上場投資信託)は、株式市場で取引できる投資信託の一種である。
- 暗号資産ETFは、現物または先物を基盤資産とし、投資家が証券口座から簡単に取引できる仕組みを提供する。
- 2024年には米国でビットコイン現物ETFが承認され、2025年にはイーサリアム現物ETFも登場した。
(出典:Bloomberg『Spot Bitcoin ETF Approval Marks Milestone』, 2024-01-11 → bloomberg)
XRP ETFを巡る最新の動き
- 2025年、SECとRipple社の裁判が和解に至ったことで、法的不透明感が大きく後退した。
- これにより「次のETF候補」としてXRPが注目されている。
(出典:Reuters『SEC ends lawsuit against Ripple, company to pay $125 million fine.』, 2025-08-08 → reuters) - 一部アナリストは「早ければ2026年にもXRP ETFの申請が出る可能性がある」と予測している。
(出典:CoinDesk『Analysts Eye XRP ETF After SEC Settlement』, 2025-08-20 → coindesk) - ただしSECは依然として「市場操作のリスク」「流動性の安定性」に懸念を示しており、承認は即断できる状況ではない。
ETF承認の影響
機関投資家の参入
- ETFが承認されれば、年金基金やヘッジファンドなど機関投資家が参入しやすくなる。
- これにより取引量が増加し、価格の安定性が高まる可能性がある。
一般投資家の利便性
- 証券口座から直接取引できるため、日本人投資家にとっても「買いやすい暗号資産」となる。
- 特に「暗号資産取引所に口座を開かなくても買える」という利便性は大きい。
価格への影響
- ビットコインETF承認時と同様、短期的な価格上昇が期待される。
- ただし「期待で上昇→承認後に売られる」という展開も想定される。
NBX編集部の視点
XRP ETFは、SEC裁判の和解によって「現実味を帯びたテーマ」になったことは間違いない。
しかし、ETF承認には市場の成熟度と透明性が求められるため、時間を要する可能性が高い。
投資家は「承認を前提にした過度な期待」ではなく、段階的に整備される金融商品として冷静に見極めることが重要である。
まとめ
- ビットコイン、イーサリアムに続き、XRPがETF候補として注目されている。
- SEC裁判和解により法的不透明感は解消されたが、承認には流動性や市場操作リスクの課題が残る。
- ETFが実現すれば、機関投資家の参入や一般投資家の利便性向上につながる。
- 短期的な高騰よりも、中長期的な市場インフラとしての意義を重視すべきである。
次回は、第9回「リップルは儲かるのか?将来性と投資リスクを考察する」を取り上げる。