Bit Digital、ビットコイン採掘事業から撤退──ETHステーキング特化へ戦略転換
米国ニューヨークを拠点とする暗号資産企業Bit Digital(ビット・デジタル)(NASDAQ: BTBT)は、従来のビットコイン(Bitcoin/**BTC〈ビー・ティー・シー〉)採掘事業から完全撤退し、イーサリアム(Ethereum/ETH〈イー・ティー・エイチ〉)のステーキングおよび財務運用に特化する方針を発表した。
ステーキング戦略への本格転換
同社は2022年からすでにイーサリアム保有とステーキングインフラの構築を進めており、2025年3月末時点で:
- ETH保有量:24,434.2 ETH(保有額 約83.2億円)
- BTC保有量:417.6 BTC(保有額 約9.1億円)
を保有していたと報告されている(※1ドル=145.19円換算、2025年6月26日現在)。
今後、保有中のビットコインを段階的にイーサリアムへと交換し、運用資産の一本化を進めていく方針である。
採掘機材の売却とリソース再配分
この転換を実現するため、Bit Digitalはビットコインマイニング設備の売却または閉鎖をすでに開始。
その売却益はすべてETH資産とその周辺技術への再投資に充てられる。
ただし、売却や資産交換の具体的な完了時期は未定とされている。
なぜ今、ビットコインから撤退するのか?
市場全体では、ビットコインが過去最高値を更新し続けているにも関わらず、Bit Digitalは戦略的に「採掘収益の限界」よりも「ステーキングによる資産増加と運用効率」を重視する姿勢を明確にしている。
実際、ETH/BTC比率は2023年12月以降約75%下落しており、これはETHの割安感を示す重要な指標でもある。
今後の展望
ステーキングとは、暗号資産をブロックチェーンにロックし、ネットワーク運営に参加して報酬を得る仕組みだ。
同社はこのモデルに将来性を見出し、トランザクション手数料やインフレーション報酬による安定収益を重視している。
まとめ
Bit Digitalは、マイニングからステーキングへのシフトという業界内でも極めて大きな戦略転換を進めている。
この方針転換は、今後のETHエコシステムに対する信頼を裏付ける動きといえるだろう。
用語説明
- ステーキング(Staking):暗号資産をブロックチェーンに預け、ネットワーク維持に貢献することで報酬を得る仕組み。
- ETH/BTC比率:イーサリアム価格をビットコイン価格で割った比率。市場の相対的評価を表す。
- マイニング(Mining):暗号資産ネットワークの取引処理を担い、新しいコインを得る作業。
注意書き
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