Terra Classic、インフレ抑制へ──新モジュール「MM 2.0」を発表
仮想通貨Terra Classic(LUNC〈ルナ・クラシック〉)のコミュニティは、新たなアップグレードである「マーケットモジュール2.0(MM 2.0)」の実装を発表した。
このアップデートは新たなLUNCトークンを発行(mint)せずに運用される「非発行型」バージョンとして注目を集めている。
MM 2.0の主要変更点とは?
MM 2.0では、LUNCの供給増によるインフレリスクを軽減するため、以下のような多層的な制限を設けた上での発行制御が行われる:
- SDRベース(特別引出権)制限
- PRP(パーセンテージ・レート・パラメータ)制限
- 過去のバーン(焼却)実績に基づく日次発行上限
これらの制限により、最大でも過去30日間でバーンされたLUNCの80%までしか新規発行できない設計になっており、さらにその上限は**100,000 SDR(特別引出権)**とされている。
スワップ手数料の新構造
- スワップ手数料:0.35%
- 50%はバーン(焼却)
- 50%はOracleプールへ送金
これにより、トークン供給の制限と価格の安定性の両立を狙っている。
USTCはステーブルコインではなくなる
今回の提案は「repeg(リペッグ)」ではない。
つまり、USTC(旧TerraUSD)を再び1ドルに固定する試みではないという明確な方針が打ち出された。
その結果、USTCはステーブル資産としての扱いを放棄し、新たなLUNCをスワップで発行することもなくなる。
今後はあらかじめ資金が確保されたプールを活用して交換が行われる予定だ。
市場への即時反映と影響
この新モジュールは即時有効化可能な設計になっており、LUNCのインフレ制御と価値安定化に大きく寄与すると期待されている。
一部コミュニティメンバーは「この構造が長期的な価格回復の鍵になる」と評価しているが、一方で「USTCの放棄」がもたらす影響に懸念を示す声もある。
まとめ
Terra Classicコミュニティは、過去の失敗(UST崩壊)を踏まえたインフレ対策として、LUNCの発行を厳格に制御するMM 2.0を導入した。
「USTCを捨て、LUNCを守る」戦略への移行と捉えることができる。
用語説明
- Mint(発行):新たな仮想通貨をブロックチェーン上に作り出す行為。
- SDR(特別引出権):IMFが採用する仮想通貨バスケット。発行制限の指標として使われる。
- Oracleプール:価格フィードなど外部情報取得に使われる資金プール。
- Repeg(リペッグ):価格を固定水準(例:1ドル)に再度合わせること。
注意書き
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