第9回 リップルは儲かるのか?将来性と投資リスクを考察する

リップル(XRP)は、価格変動の大きさから「儲かる暗号資産」として注目されてきた。
しかし投資対象として考える場合、ポジティブな材料と同時にリスク要因も多い。
本稿では、XRP投資のメリットとデメリットを整理し、長期的な視点での可能性を考察する。
リップル投資のポジティブ要因
国際送金の実需
- XRPはブリッジ通貨として設計されており、国際送金の効率化に強みがある。
- 日本ではSBI、海外ではSantanderやPNCなど大手銀行が導入しており、実需が裏付けとなっている。
(出典:Ripple公式サイト, 2025年 → ripple.com)
SEC裁判の和解
- 2025年8月にSECとRipple社が和解し、5年続いた訴訟が終了した。
- 法的不透明感が解消され、ETF承認の期待が高まっている。
(出典:Reuters『SEC ends lawsuit against Ripple』, 2025-08-08 → reuters)
価格上昇の余地
- 2017年の最高値3.84ドル(約420円)をいまだ超えていない。
- 実需拡大やETF承認が進めば、過去最高値更新の可能性は残されている。
(出典:CoinMarketCap『XRP Historical Data』, 2025-08-24 → coinmarketcap)
リップル投資のリスク要因
規制リスク
- 各国の規制が未整備であり、特に米国の政策次第で再び法的リスクが浮上する可能性がある。
- 日本でも金融庁の規制強化が議論されており、投資家保護の観点で変化があり得る。
競合との対立
- ステーブルコイン(USDC、USDT)や中央銀行デジタル通貨(CBDC)が普及すれば、XRPの役割が薄れる可能性がある。
(出典:World Economic Forum『CBDC and Digital Currency Outlook』, 2024年)
高いボラティリティ
- 過去の値動きは「急騰と急落の繰り返し」であり、短期的には投機的な値動きが中心。
- 価格が数倍に上昇することもあれば、数週間で半値になることもある。
投資スタイル別の考え方
短期投資
- ニュースやイベントに敏感に反応するため、短期売買ではチャンスが多い。
- ただしリスク管理を怠ると損失も大きくなる。
中長期投資
- 実需拡大やETF承認など「成長シナリオ」に賭ける投資。
- 競合との戦いに勝てなければ価値が伸び悩むリスクもある。
NBX編集部の視点
リップルは「儲かる可能性」と「リスク」が表裏一体の銘柄である。
国際送金という実需を背景に長期的な上昇余地はあるが、規制や競合の存在を軽視すべきではない。
投資家は「夢の1万円シナリオ」ではなく、リスクを許容した上で分散投資の一部として組み込む ことが現実的である。
まとめ
- リップルは実需とETF期待で上昇余地を持つ。
- 一方で規制・競合・ボラティリティがリスクとなる。
- 短期では投機的、長期では実需拡大次第という二面性がある。
- 投資判断は冷静に「リスクとリターン」を天秤にかけるべきである。
次回は、第10回「リップルのニュース速報とSNSの反応を追跡する【Twitter・掲示板】」を取り上げる。